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2009 年 3 月 10 日

システムトレードの罠、その4(E.Aの限界) このエントリをはてなブックマークに追加 あとで読む

カテゴリー: ┣システムトレード — 管理人 @ 10:16 PM

日本におけるE.A.の限界

 システムトレードの発祥地は様々な諸説がありますが、イギリス発祥地であるという説が有力です。

 特に自動売買機能をつけたシステムトレードに関してはイギリスとロシアが先進国として有名です。

 投資国家として先進国のアメリカでは普及率が24%を超えています。
つまり、投資家の中でツールとして捉えている人が4人に1人はいるという状況です。

 シストレに特化したFuture Truthのような雑誌も出ているほどです。
(Future Truthとはアメリカのシステムトレードをランキング形式にして発表している雑誌。1位は年率600%を超える。)

 日本でのシステムトレードの普及率は低く、1%ほどだと言われています。
日本の金融業界はアメリカの金融業界から8年遅れています。
(ちなみにこれは日本が戦争に負けて日本国憲法をGHQが定めた時点で日本はアメリカを絶対に追い越せないようになっているようです。)

 

 では8年後に普及率が25%近くまで伸びるのか?
実際にどうなるかは分かりませんが、日本では厳しいのではないかと僕は考えています。

 それは日本が投資国家としてまだまだ未熟であるからです。
金融に対する規制も非常に厳しく、また法律面でも様々な障壁があります。
この法律面に関する規制がE.A.においては致命的なのです。

以下かなり突っ込んだ話になります。

日本ではFX会社は顧客の運用に手を出してはいけないということが金融先物取引法という法律で決まっています。
そのため日本では【ASP型のサーバーをFX会社の中に組み込む】ということが出来なくなります。

なぜか。

 FXは『相対取引』という取引形態を取っています。(それに対して株は『取引所取引』という取引形態を取ります。)
つまり、その値段で売りたいという人がいて初めてその値段で買うことが出来ます。
 この場合、FXでは相対取引の対象となるのが「FX会社(証券会社)」なのです。
相対取引になるわけだから、自分のFX会社がその値段では売れないという姿勢であれば買うことが出来ません。

 仮に、ASP型のシステムトレードにといてFX会社にサーバーを組み込むと、 FX会社から離れている個人の投資家はその値段では買えないけど、サーバーでは注文が通るという不平等が生じる可能性があります。

それが全ての理由ではありませんが、そういった面もあり日本では規制が掛かっています。

これが何の問題になるのか?

 それは「スプレッド」という差が出てしまうことなのです。
スプレッドをものすごく簡単に説明すると、ある通貨を最も高く買おうと思っている人が示しているレート(Bid)と、最も低く売ろうと思っている人が示すレート(Ask)の差のことです。
例えば、105.5円/ドル(Bid)で買いたい人と、105.8円/ドル(Ask)で売りたい人がいるなら、スプレッドは0.3円/ドルになります。

 仮にの話になりますがドルを買って(105.8円/ドル)その瞬間すぐに売ると(105.5円/ドル)、0.3円/ドルの損をします。
この0.3円/ドルが一種の手数料になります。外貨取引をするとき、このスプレッドは一種の手数料となり、FX会社の利益となります。

 ちなみに、証券会社に支払う手数料は、このスプレッドを含む場合があります。こういうことがあるので、スプレッドが曲者になる場合があります。

 例えば以下の2つの証券会社があったとします。一見すると、証券会社Bの方が手数料が安い気がしますが注意が必要です。 (手数料無料の所がかなり増えてきてますが)

 

■証券会社A
手数料:往復で20銭
証券会社Aが示す為替レート:105.5円/ドル-105.8円/ドル(スプレッドは30銭)

■証券会社B
手数料:往復で10銭
証券会社Bが示す為替レート:105.3円/ドル-106円/ドル(スプレッドは70銭)
※)往復=「ドル買い→ドル売り」のように一連の取引をすること

 もし、ドルを買ってすぐに売るとすれば、証券会社Aの手数料は、「20銭+30銭=50銭」になります。しかし、証券会社Bの手数料は「10銭+70銭=80銭」になります。
そう、つまりBの証券会社で取引をしたほうが不利益になるのです。(一概には言えないのですが、この数字の面から言うと・・・という意味です。)

 

 

で、このスプレッドの差なのですが、普通の個人投資家からするとあまり影響のあるものではありません。
それは個人投資家の裁量トレードであれば、普通利幅を大きく取って決済するので1pip、2pipsほどのスプレッドの差はあまり影響ないからです。
(FXの場合、通貨の価値の単位を【pip(ピップ)】という言葉で表現します。)

これはどういうことかと言いますと、
たとえば「105.0円の時にドルを買った人が105.3円の時にドルを売る」なんてことはあまりしないのです。

 自分の身になって考えてみれば分かりますが、「もっと高くなってから・・・、せめて106.0円くらいになってから売ろう。じゃないとあんまり儲けがないし・・・。」と考えるのです。

 つまり利幅が少ないと、嬉しくないしそんな小さな取引を繰り返すのは煩わしいのです。
しかも取引回数が多いと取引手数料を多く取られるため勿体ないのです。
だから利幅を大きく取って決済するため、スプレッドの差はあまり影響がないことになるのです。

 

 しかし、機械が行うシステムトレードでは小さな利幅の決済を繰り返すことで利益を重ねていくことが多いのです。
機械には感情が無いので、「面倒くさい」「もっと儲けが欲しい」とか言った思いがありません。

確実にロジック通りに利益を確定させて行きます。

 小さな勝ちを重ねていくものが多いのです。(システムトレードでは顧客の資金を1ロットにまとめたりすることもあるので、取引手数料も安い。)
 そうあるとき、利幅が少ないとスプレッドの差の影響力が大きくなってきます。
だから、スプレッドによる損失は致命的になりやすいのです。

 そういった環境から、スプレッドの差をなくすためにはFX会社にサーバーを組み込む必要があるわけです。
したがって、FX会社を海外に置くようにすればよいわけです。
 
実際、香港にあるFX会社でそこにASPを組み込ませて、そのスキームを完成させている所もあります。

あまり注目されない点ですが、数字の点から言っても非常に大切なことだと思います。

次回、「システムトレードの罠、その5」
内容は「今後について」
文章量は少ないですが完結とします。

 

【関連記事】
:pen: システムトレードの罠、その1
:pen: システムトレードの罠、その2(E.A)
:pen: システムトレードの罠、その3

他のブログ記事はこちら。

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